「こだま」に格安で乗る情報まとめ
東海道・山陽新幹線の「こだま」号には、安く乗れる割引きっぷや格安チケットが比較的多く設定されています。「のぞみ」号などに比べると利用者が少ないためでしょう。
「こだま」号は東京〜新大阪の東海道新幹線と、新大阪〜博多の山陽新幹線で系統が完全に分断されていて、割引きっぷも基本的にはそれぞれ分かれています。
ここでは、「こだま」号に少しでも安く乗るための方法について、東海道区間と山陽区間をそれぞれ解説していきます。
東海道新幹線「ぷらっとこだま エコノミープラン」
東海道新幹線の「こだま」号に安く乗る方法として、最もお得なのは「ぷらっとこだま エコノミープラン」(略称・ぷらこま)です。これは、前日までに特定の「こだま」号を予約することで、通常運賃料金より25%程度安くなるものです。設定区間は限られていますが、その区間に乗るならこれがもっとも格安でしょう。
東京からの価格の一例を示すと、以下の通りです(通常期)。
「ぷらっとこだま」の値段(東京発着)
目的地 旅行代金(JR通常運賃料金)
- 静岡 4,900円(6,470円)
- 浜松 6,900円(8,440円)
- 名古屋 8,600円(11,090円)
- 京都 10,600円(13,850円)
- 新大阪 10,800円(14,400円)
「ぷらっとこだま」は、東京、新横浜、静岡、浜松、名古屋、京都、新大阪の相互間で設定があります。熱海や三島に行くときは使えません。
このプランは、旅行代理店の「ツアー」という形式で販売されています。つまり、正確に表現すると「切符」ではありません。したがって、普通の切符と違う点もあります。そのため、以下の点に注意しましょう。
- 前日までにJR東海ツアーズの店舗またはウェブサイトで購入しなければならない。(駅のみどりの窓口では買えない)
- 列車変更、座席変更などは不可。乗り遅れた場合は無効。後続列車に乗せてくれたりはしない。
- JR東海の改札口しか使えない。たとえば東京駅では丸の内口などJR東日本の在来線改札口は使えない。
- 東京都区内・名古屋・大阪市内の在来線には乗れない。
また、「ぷらっとこだま」にはグリーン車用プランもあります。本当にお得なのはこちらです。価格の一例を示すと、以下の通りです(通常期)。
ぷらっとこだまグリーン車プランの値段(東京発)
目的地 旅行代金(JR通常運賃料金)
- 静岡 6,600円 (8,740円)
- 浜松 8,600円 (11,660円)
- 名古屋 9,600円 (14,750円)
- 京都 12,100円(18,720円)
- 新大阪 12,300円(19,270円)
よく見ると、普通車の通常運賃料金以下で、グリーン車に乗れてしまうことがわかります。東京~新大阪の場合、割引率としては、約36%引きです。
山陽新幹線「バリ得」
山陽新幹線でもっとも割引率の高いチケットといえば、「バリ得」でしょう。これは、前日までに特定の「こだま」号(または一部の「ひかり」号)を予約することで、通常よりも最大50%程度安くなるものです。
値段は、以下の通りです。
バリ得の値段
- 新大阪−博多:8,600円
- 新大阪−小倉:8,100円
- 新神戸−博多:8,400円
- 新神戸−小倉:7,900円
- 西明石−博多:8,200円
- 西明石−小倉:7,900円
- 姫路−博多:8,000円
- 姫路−小倉:7,500円
※いずれもセブンイレブンでのギフト(ペットボトル1本など)つき。グリーン車は1000円増。
「バリ得こだま」は日本旅行という旅行会社の「ツアー」という形式で販売されています。そのため、正確に表現すると「切符」ではありません。したがって、普通の切符と違う点もあります。とくに注意すべき点としては、以下が挙げられます。
- 前日までに日本旅行の店舗やウェブサイトで購入しなければならない。(駅のみどりの窓口では買えない)
- 列車変更、座席変更などは不可。乗り遅れた場合は無効。
- 大阪、神戸、北九州、福岡市内の在来線には乗れない。
山陽新幹線の「こだま」号で新大阪~博多間を乗り通す場合、所要時間は4時間10分~30分程度です。列車により所要時間は異なります。本数が少ないので、使い勝手に難もありますが、高速バス並みの価格で新幹線に乗れるのは嬉しいところでしょう。
【公式】日本旅行「バリ得」
EXこだまファミリー早特
東海道・山陽新幹線のインターネット予約サービス「エクスプレス予約」「スマートEX」の会員専用の割引です。「エクスプレス予約」は有料会員制ですが、「スマートEX」はクレジットカードを持っていれば、誰でも無料で会員になれます。したがって、「EXこだまファミリー早特」は誰でも買えます。2人以上の3日前までの予約で、「こだま号」通常運賃料金より大幅に安くなります。
主な区間の価格は以下の通りです。( )はグリーン車の価格です。
- 東京~名古屋 8,050円 (9,070円)
- 東京~京都 9,980円 (11,000円)
- 東京~新大阪 10,080円 (11,100円)
EXこだまグリーン早特
「エクスプレス予約」「スマートEX」の会員専用の割引です。EXこだまグリーン早特は3日前までの予約で、「こだま号」の通常のグリーン料金より大幅に安くなります。「こだま号」の普通車の定価よりも安くなることもあります。特に、東京~名古屋や大阪といった長距離では格安です。1人でも利用できます。
主な区間の価格は以下の通りです。
- 東京~静岡 6,140円
- 東京~名古屋 9,170円
- 東京~京都 11,200円
- 東京~新大阪 11,410円
山陽新幹線「こだま指定席きっぷ」
「こだま指定席きっぷ」は、「こだま」と一部「ひかり」の普通車指定席を利用できます。JR西日本のインターネット予約「e5489」専用商品です。「e5489」は無料で会員登録できます。
おもな設定区間と価格は以下の通りです。
こだま指定席きっぷの値段
- 大阪市内←→岡山 4,600円(1,500円)
- 大阪市内←→福山 5,900円(1,500円)
- 大阪市内←→広島市内 7,810円(1,500円)
- 岡山←→広島市内 4,600円(1,500円)
- 広島市内←→博多 6,810円(1,500円)
- 新山口←→博多 4,270円(1,500円)
大阪~岡山が4,600円、大阪~広島が7,810円と、30%程度の割引になっています。このほか、山陽新幹線の中距離区間に数多く設定されています。また、子供はどの区間も一律で1,500円に設定されています。親子2人の旅なら非常に激安です。
と、とてもお得なきっぷなのですが、重大なポイントがあります。それは「2人以上でないと発売しない」という点です。一人旅には使えません。そのため、ビジネス利用などには不向きで、レジャー用途の割引きっぷといえます。前日までの発売です。
EX予約サービス
東海道・山陽新幹線の有料会員制度「エクスプレス予約」の会員専用のチケットレスがEX予約サービスです。通常運賃料金より7%〜8%程度安くなります。駅の窓口などでは購入できません。乗車当日の予約可。有料会員以外は使えません。
e特急券
有料会員制インターネット予約サービス「エクスプレス予約」の会員専用の標準的な割引チケットが「e特急券」です。割引価格のe特急券と通常運賃の乗車券をセットで使い、あわせて通常・運賃料金より7%程度安くなります。
新幹線区間だけを利用するなら「EX予約サービス」のほうが安いですが、新幹線から在来線に乗り継ぐ場合は、「e特急券」を利用した方が安くなるケースが多いです。
駅の窓口などでは購入不可。乗車当日の予約でも購入可。有料会員以外は使えません。
新幹線回数券
新幹線回数券は、最近は販売区間が縮小され、東京~熱海、静岡、浜松といった東海道新幹線の主要駅までのみの設定となっています。自由席回数券のみです。金券ショップで購入できます。店により違いがありますが、5〜7%程度安くなります。チケットが手元にあれば、当日予約なしでも乗車でき、利便性があります。
基本的には6枚綴りなので、3人で往復利用する場合は、駅の窓口で購入すればもっと安くなります。ゴールデンウィーク、盆、年末年始には使えない時期があります。
こだま号の格安チケット、割引きっぷまとめ
東海道・山陽新幹線ともに、「こだま号」には旅行会社系の格安チケットが販売されています。「ぷらっとこだま」「バリ得」の2つで、大幅割引ならこれを狙うのが基本でしょう。
それ以外にも、こだま号が利用できる割引きっぷは豊富ですが、高速バスと競合する中距離の主要都市間に限られているという側面もあります。「こだま」号しか停まらない駅への割引きっぷはあまりないのが現状です。
「こだま」号はグリーン車が比較的空いていることもあり、「EX早特」や「ぷらっとこだまグリーン車プラン」はおトクです。手頃な価格でゆったり旅を楽しみたいならグリーン車を狙うのもいいでしょう。
【公式】日本旅行「バリ得」