近鉄特急に格安で乗る方法まとめ
近鉄特急は、大阪・名古屋間を格安・快適に移動するのに便利。また、大阪・京都・名古屋から伊勢志摩、奈良・飛鳥・吉野などへ向かうのにも便利なネットワークです。新型車両として「ひのとり」「しまかぜ」なども投入されて、乗る楽しみも広がりました。
ここでは、近鉄特急に安く乗る方法をご紹介します。
「近鉄特急」の運賃・料金
最初に、近鉄特急の値段をおさらいしておきましょう。主な区間の通常価格は以下の通りです。
区間 | 一般車両 | ひのとり しまかぜ |
---|---|---|
大阪難波~近鉄名古屋 | 4,790円 | 4,990円 |
大阪難波~伊勢市 | 3,510円 | 4,350円 |
京都~奈良 | 1,280円 | -- |
近鉄名古屋~伊勢市 | 3,080円 | 3,920円 |
大阪阿部野橋~吉野 | 1,690円 | -- |
近鉄特急で大阪から名古屋へ行く場合、正規料金は乗車券2,860円+特急券1,930円の片道4,790円。「ひのとり」に乗っても4,990円。新幹線に比べれば安いです。
でも、「少しでも安くなる方法はないか」と考えてしまう人も多いでしょう。ここでは、主に名阪特急を例にとり、近鉄特急に安く乗る方法を考えてみます。なお、それ以外の区間でも安く乗る方法はほぼ同じですので、参考にして下さい。
とはいっても、近鉄特急のみの割引きっぷほとんどはありません。往復割引もありません。ですから、近鉄の駅窓口で買えるのは、正規運賃のチケットだけです。
車両タイプによる料金の違いは?
近鉄特急には多彩な車両が走っています。一部の車両に乗車するときは「特別車両料金」がかかります。特別車両料金がかかるのは「ひのとり」「しまかぜ」「青の交響曲」「あをによし」です。
- 「ひのとり」(レギュラー車両)100円~200円
- 「ひのとり」(プレミアム車両)300円~900円
- 「しまかぜ」740円~1,050円(個室の場合は別途個室料金1,050円)
- 「青の交響曲」210円
- 「あをによし」210円
また、「アーバンライナー」「伊勢志摩ライナー」「さくらライナー」のデラックスカーを利用する場合は、特別車両料金が必要です。210円~520円です。
株主優待券と特急券を組み合わせる
近鉄特急に安く乗る方法のうち、もっともオーソドックスな方法は、近鉄の株主優待乗車証(株主優待券)を手に入れることです。
株主優待券は近鉄全線に乗車できますので、これ1枚で名阪間を移動できますし、大阪から伊勢・志摩へ行くこともできます。「ひのとり」「しまかぜ」に格安に乗るのもこの方法です。
近鉄の株主優待券は、近鉄の株主に配布されます。株主でない方は、金券ショップかヤフオクなどで手に入れましょう。金券店での相場1300円〜1600円程度です。
この価格だと、大阪〜名古屋間や、大阪〜伊勢・志摩、名古屋〜大和八木などへ行くにはお得ですが、名古屋〜伊勢・志摩は微妙です。鳥羽まで行けば株主優待券のほうが安いことが多いですが、名古屋〜伊勢市や宇治山田までなら、普通に乗車券を買ってもほとんど変わらない価格です。
株主優待券だけでは特急には乗れませんので、別途特急券を買う必要があります。これは駅の窓口で通常価格で買いましょう。
「名阪ビジネス回数きっぷ」を使う
いわゆる「名阪特急」に安く乗るのに最適の格安チケットが「名阪ビジネス回数きっぷ」です。
大阪難波・大阪上本町・鶴橋の各駅〜近鉄名古屋駅間の乗車券の回数券タイプの割引きっぷです。きっぷは14枚つづりで、駅の窓口ではバラ売りはしていませんが、金券ショップに行けば1枚ずつ購入することが可能です。特急券は別途購入しなければなりません。
価格は28,600円です。1枚当たり2,050円で、定価2,860円に比べると約28%引きです。特急券込みの価格では、1枚あたり3,980円で、定価に比べ約17%引きとなります。この価格で、近鉄特急の一般車両で大阪〜名古屋間を片道特急利用できます。「ひのとり」の場合は、レギュラー車両で200円プラスです。
金券ショップで買うと1枚あたり2,000円くらいです。仮に2,000円で名阪ビジネス回数きっぷを1枚買ったとして、大阪~名古屋間が3,930円になります。
なお、「近鉄名阪まる得きっぷ」は廃止されました。
「伊勢神宮参拝きっぷ」を使う
大阪、京都、奈良、名古屋などから伊勢方面への、特急券付きの往復割引きっぷです。大阪、京都、奈良から7,100円、名古屋から6,200円の設定です。
伊勢神宮(宇治山田)までの単純往復ならほとんど割引にはなりませんが、松坂~賢島間の近鉄電車や三重交通バスにも乗り放題ですので、現地で少しでも観光をするならお得です。
「まわりゃんせ」を使う
正式名称は「伊勢・鳥羽・志摩スーパーパスポート“まわりゃんせ”」。伊勢志摩方面の観光をするなら、かなりお得なチケットです。往復の特急料金も含めて大阪、京都、名古屋のどの駅からも10,200 円です。単純に近鉄特急に乗るだけならお得ではありません。
「奈良世界遺産フリーきっぷ」を使う
「奈良世界遺産フリーきっぷ」は、近鉄電車往復乗車券とフリー区間内の近鉄電車・奈良交通バスの乗り放題が付いたフリーきっぷ。特急料金は含まれていません。「奈良・斑鳩・吉野コース」「奈良・斑鳩コース」「奈良コース」の3タイプがあります。
現地での観光スポットの料金が含まれていないフリー乗車券です。単純に近鉄特急に乗るだけならお得ではありませんが、現地で観光するならお得です。新幹線で京都に着き、奈良方面の観光をする人にはおすすめのきっぷです。
「近鉄週末フリーパス」を使う
「近鉄週末フリーパス」は、土日がらみの3日間に、近鉄全線が乗り放題というきっぷです。価格は4,400円です。
大阪~名古屋間を往復するだけで元が取れるきっぷです。大阪・名古屋~伊勢志摩往復だけですと、元が取れるかは微妙ですが、途中で乗り降りすれば損はしないでしょう。特急券は別途購入しなければなりません。週末の近鉄沿線への旅行にはおすすめです。
その他の割引きっぷを使う
以上のほか、近鉄には多数の割引きっぷがあります。全ては紹介しきれませんが、観光目的なら近鉄のウェブサイトで確認してみるといいでしょう。
近鉄特急の格安チケット、割引きっぷまとめ
近鉄特急の格安チケットはそれなりに種類がありますが、乗車券と特急券がセットになった使いやすい割引きっぷはありません。名阪間なら「名阪ビジネス回数きっぷ」が基本になりますし、それ以外の区間なら近鉄の株主優待券を入手するのが王道でしょう。
伊勢志摩エリアや奈良・飛鳥エリアで観光するなら「伊勢神宮参拝きっぷ」「奈良世界遺産フリーきっぷ」など検討するといいでしょう。それ以外にも特急が安くなるきっぷがいくつかあります。